第27回 府中文化村

「稼ぐまちにするには

みんなで府中のまちづくりを考える

2016.08.25開催)

 

今回の文化村は、府中文化村が始まってから初となる参加者一体型の「ワークショップスタイル」の講演でした。

講師には銀行に20年以上勤務しており、中小企業の再生を導くコンサルタントとしてご活躍されている須藤利究氏をお招きし、「稼ぐまちにするには」というテーマで、講師の豊富なコンサルティング経験、知識をお借りしながら、みんなで我がまち府中についてしっかり考えてみるとても良いディスカッション・講演となりました。

 

講演内容としては、現在の日本の金融状況や長年の銀行経験からわかる国策、年金事情などのお話から、いくつかのグループに分かれ、ディスカッションを交わし模造紙に府中の人気店(業種自由)と何故そのお店が人気なのかの説明を考えて発表。

参加者はみな、府中が好きで「あのお店も、このお店も」となり、最後は苦渋の選択で人気店を発表していましたが、須藤氏によると、この状況は府中の特徴を表しているのではないかと予想します

「府中といえば」などの他とは差別化され、かつ府中ならでは、府中の代表するお店の特定が難しく、これといって府中といえばというものが出てこないということは、府中が飲食店やその他の資源にある程度恵まれており、逆に恵まれ過ぎて他とは差別化された府中ならではのお店やものが少ないのではないかとのことです。

 

なるほど府中という街は、京王線府中駅周りではデパートや個人商店を含むお店がたくさんあり、しかし街には公園や川、緑があふれています。

府中は「何もない」わけではありません。しかし、「何もない」のかもしれません。

須藤氏の分析によれば、我がまち府中市は某不動産に関する情報サイトによる「住みたい街ランキング」には府中市は10位にも入らず、吉祥寺や恵比寿、立川市などよりもずっと下だそうです。

一方、「住み続けたい街ランキング」というものでは、府中は上位で過去には1位を獲得するほどの高ランクです。

 

この結果は、先の「府中といえば」というものがないのではないかという論拠となりそうです。

というのも、府中に住んだことない人が「府中に住みたい」と思わせるものは府中の外の魅力であるためです。府中在住であれば加味しないポイントかもしれませんが、「住んでみて良い」「施設やサービスの面からもとても住みやすい」という魅力や特徴は住んだことがない人にはわからないのです。

このギャップを埋めることが、府中という街の元気を上げる重要ポイントになるといいます。これはとても興味深い視点だと思います。

 

「稼ぐまちにするには」というタイトルからすると、「ビジネスで街をどうつくっていくか」「どうしたらこの街で売れるお店をつくるか」などの考え方に至る方も多いかと思われますが、この「稼ぐまち」=『街の元気』を表していると私は考えています。

府中は職住がとても近接で、昼と夜の人の波に変わりが少ないという特徴から、「府中はこれがある」という特徴的な武器を持つことで府中をもっと外部へ発信することもでき、また府中の良さがまた府中という街へ人の流れが増し、府中の街・府中市民・それに関わる人のすべての人が笑顔になることができるかもしれません。

 

 

私たち府中文化村はこの中心で府中の元気や府中の笑顔の原因であれるように活動していきたいと感じています。